猫の原状回復費用はいくら?賃貸「経済性」5つのポイント(Ⅲ)
猫可物件の「本当のコスト」、家賃だけで判断していませんか?
物件を探すとき、多くの方がまず見るのは「家賃」と「初期費用」です。でも、猫と暮らす賃貸には、家賃の欄には出てこない費用がいくつも隠れています。猫飼育のための追加初期費用、月々の上乗せ費用、そして退去時にまとめて請求される原状回復費用です。
特に退去時の原状回復費用は、契約から数年経って初めて発生するため、契約時にはなかなか実感がわきません。しかし実際には、この「見えにくい費用」こそが、長く住み続けたときの総コストを大きく左右します。
私たちゴロゴロ不動産の「5656(ゴロゴロ)スコア」では、この「経済性」を6軸のひとつとして、10項目・45点満点で評価しています。今回は「経済性」軸で私たちが何を見ているのかをお話しします。
「経済性」軸で見ている3つの視点
① 猫飼育に伴う初期費用
敷金の上乗せや承諾金など、猫と暮らすことで発生する一時費用があるかどうかを確認します。あわせて、退去時に猫を理由とした特別な費用請求(特約)が設定されていないかどうかも、契約前に見ておきたいポイントです。

② 猫飼育に伴う月額費用と光熱費
家賃とは別に、猫1頭につき毎月発生する上乗せ費用(管理費・共益費の加算など)があるかどうかを確認します。また、断熱性能が低い部屋は冷暖房費がかさみやすく、猫のために日中もエアコンをつけたままにするご家庭では、月々の光熱費に差が出てきます。

③ 更新料・退去時の原状回復費
2年ごとの更新料・更新事務手数料は、長く住むほど累計コストに影響します。さらに見落とされがちなのが、退去時の床材・壁材の原状回復費です。猫の爪とぎやマーキングによる傷みは床材・壁材の種類によって修繕費用が大きく変わるため、5656スコアでは床材の耐久性(原状回復のしやすさ)を特に重視すべき項目として評価しています。

代表の小阪自身、過去に退去費用をめぐるトラブルや、入居後のマンション規約変更に直面した経験があります。この経験から、「契約時の初期費用だけでなく、住み続けた先にどんな費用が発生するのかを、事前に見える化することが何より大切だ」と考えるようになりました。私たちが独自に開発した「ゴロっと5年見積り」というツールは、更新料や退去費用を含めた5年間の総住居費をあらかじめ試算できるもので、この実体験がもとになっています。
④ 原状回復費用の考え方:国のガイドラインを知っておく
猫の原状回復費用がどこまで借主(入居者)の負担になるのか、実は国が示した一般的な基準があります。国土交通省が公表している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、経年劣化・通常損耗(住んでいれば自然に生じる傷みや汚れ)は貸主(オーナー)の負担、借主の故意・過失や善管注意義務違反による損傷は借主の負担、という考え方が原則として示されています。
この考え方に照らすと、猫の爪とぎによる柱・壁紙(クロス)の傷や、尿によるフローリングの臭い・シミなどは、「通常の使用による損耗」の範囲を超えるとみなされ、借主負担になるケースが多いのが実情です。壁紙の張り替え費用は箇所や範囲によって相場が変わりますが、経年劣化分を差し引いた金額で請求されるのが本来のルールであり、全額を借主に請求することはガイドラインの考え方とは異なります。退去時に高額な請求を受けて驚くことのないよう、契約時にペットに関する特約の内容を確認し、疑問があれば管理会社に交渉・相談する姿勢も大切です。
詳しいガイドラインの内容は、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドラインについて」でも公表されています。
物件選びでよくある見落とし
初期費用と家賃だけで「安い・高い」を判断してしまう
契約時の金額が同じでも、更新料や退去時の原状回復費の水準によって、5年間のトータルコストは大きく変わります。目先の金額だけでなく、住み続けた場合の総額で比較することをおすすめします。
床材・壁材の種類と退去費用の関係を知らないまま契約してしまう
フロアタイルは部分交換がしやすく比較的コストを抑えやすい一方、畳やカーペット、フローリングは原状回復費用が高くなりやすい傾向があります。壁材も、腰壁やパネルの有無で、爪とぎ跡の修繕範囲が変わってきます。
月額の「諸費用」が積み重なっていることに気づきにくい
町内会費・CATV・24時間サポート費用など、少額の諸費用が積み重なると、月々数千円の差になることがあります。契約書の中の細かい項目まで、あわせて確認しておきたいところです。
内見・契約前にチェックしたい5つのポイント
- 猫飼育による初期費用の上乗せや、退去時の特別費用特約の有無を確認したか
- 猫飼育による月額費用の上乗せ額を確認したか
- 更新料・更新事務手数料が家賃の何ヶ月分にあたるか確認したか
- 床材・壁材の種類と、退去時の原状回復費用の目安を確認したか
- 町内会費・CATV・サポート費用など、月額諸費用の合計を確認したか
まとめ:次回は「快適性」を解説します
「経済性」は、契約時の金額だけでなく、住み続けた先にどれだけの費用が発生するかまで見通す軸です。特に原状回復費用は、国のガイドラインという客観的な基準を知っておくだけで、退去時の不安がぐっと減ります。気になる物件が見つかったら、初期費用だけでなく、5年・10年という時間軸で総額を確認してみることをおすすめします。
次回は、人と猫が日常的に心地よく過ごせるかを見る「快適性」軸について解説します。
気になる物件の5年間の総住居費は、「ゴロっと5年見積り」でお問い合わせ頂ければ試算できます。LINE公式アカウントにご登録のうえ、ぜひご相談ください。
関連記事:5656スコアの概要はこちら /
猫暮らし研究所 記事一覧
ひとつでも不安が残ったら、そこで止まって大丈夫です。
※ 無理な営業や、しつこい連絡は行っていません












